人形の妹と王子の兄

「可憐」

空いてる妹の右手を掴んで、

ファッション街の人波に紛れるしかなかった。

独占欲が強いなんて…

自身が知らなかったのに、


「…だめだっ!!」

「え、お兄ちゃん?」

「だめだっ…

俺はお前が好きだっ、可憐!」


沢山の注目を集めてしまったが、

ぎゅっとしてキスした。


「…お前を妹なんて見られねえよ…」


もう関係ない。

大勢に見られたって構わない。
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