BLUE HEART
1:俺の少女
ナディ①
彼女と逢ったのは
国を出て数か月後だった。
一人だったオレは、割と放浪癖のせいでいろいろな場所へ出向いた。
たまたま行った酒場で、彼女と会った。
名前はなかった。
ただ、主人に叱られ罵られていた。
幼い少女だというのに、笑うこともままならないような生活をしていた。
少女は孤児であった。
母親は数年前に失踪し、父は元からいなかったらしい。
そのため、母親が働いていた酒場で、少女は働くことになった。
酒場の主人は、少女に辛く当たった。