BLUE HEART
彼は立ち止まっている。
いや、硬直していた。
俺がそういう行動に出ると思わなかったのだろう。
真っ直ぐ剣を刺すように構えた俺を、殺ることはプロなら容易いだろう。
多分キースも。
近付くことが困難でも、隙をついて命を刈るのは簡単だ。
この構えは、守備の範囲が狭く力の入りにくい構えである。
気付いていたら、俺は簡単にやられ、無様にも地に足をついたろう。
しかし、それを分かっていながらやったのは…俺の判断だ。
経験から来るもの、生命の鼓動が聞こえる。
コイツのために仕事する価値があるかどうかは、コレにかかっていた。