BLUE HEART
俺には、まだすべきことがあるから死ねない。
しかし、今を生きるためには仕事が必要だった。
それに剣の腕が低下してしまうのを、防げる仕事が良かった。
すべきことのためには、どうしても剣術が衰えてはならなかった。
『短期雇用はしていないのだろう?』
『悪いが、していない。だが…何処かに引っ越すならそこで仕事を出来るようにしてやる。旅人なのだろう、お前は』
キースの気遣いは嬉しいが、仕事の話を聞いた時からすでに答えは決まっていた。
『引き受ける…そういう考えだ』
夜の闇が、俺の中にゆっくりと溶け込んだような変な感覚だった。
綺麗な闇。
光は痛いけれど、闇なら痛くない。
心地良い、切なさ。