BLUE HEART



俺とキースは似ていた。


多分…大事なものを守るためには、非情になるしかなかった。


やり方が間違っていても良かった。

ただ、守ってあげられたら…それだけで良かった。


平和な世界が良い。


なんて大嘘。


平和な世界なんて、あの人がいなければなんの意味ももたない。


俺には価値などなかった。


みんなで、暮らせたら…それだけで良かった。


あの時、震えた手。

生暖かい赤の色は、俺にコレは夢じゃないぞと教えていた。

俺は一瞬…


死を恐れた。


突き向かってくる刀を目の前に、絆など頭になかった。


信頼していなかったのかもしれない。


あの人…


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