BLUE HEART




目を開けるのが、億劫になる。



すると、何かが身体にぶつかった。



『あ、ごめんなさい』


咄嗟に謝ると、ぶつかったのが子供であることが分かった。



小さく目を開けて、姿を確認するとあたしの半分くらいの大きさの子供がいた。


金髪の可愛らしい男の子。兎の縫いぐるみを大事そうに抱えていた。



ぎゅるるる…


お腹の音が微かに聞こえた。


『お腹減ってるの?』



あたしが聞くと、その子はゆっくりと頷いた。



『おいで、一緒に食べよ』


あたしが手を出すと、その子はあたしの手をぎゅっと握り返した。


温かくて、気持ちいい。


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