BLUE HEART



子供の体温って感じがした。
まだまだあたしも子供だけど、ちょっとは大人のつもり。


男の子を酒場の中に連れていく。
今日はあまり人がいないようだった。



『リーフちゃん、いらっしゃい。あら、スティムも一緒?』


『スティム?』


『その坊やの名前さ。今日は兄ちゃんと一緒じゃないんだねぇ、スティム』


主人は、にっこりと笑ってみせた。
あたしに席を指差していて、『座って』と言っている。



『お兄ちゃん、今日は林の方で獲物捕まえてくるって言ってたの』


急にスティム坊やが話し出した。


『あら、それにしてもおかしいわね。あそこは朝か夜しか獲物はいないのに』


主人が、不思議そうに首を傾げた。
あたしも、それはマスターに聞いていたから驚いている。


あまり、人が近寄らない場所。



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