BLUE HEART


温かく向けられる笑顔。

細くなる目尻が、優しさを強調していた。


深くなる皺が、暖かみを増す。




『あたしも炒飯好きです』


『僕も好き』


スティムは無邪気に言う。子供らしい表情で、クリッと目を丸まらせた。

スティムはきれいな金髪で、透き通るような青い瞳だった。


あたしがスティムの顔を覗くと、青い瞳の中にあたしが映る。

青いあたしが、スティムの中にいた。



『ありがとう、そう言ってもらえると嬉しいねえ』


主人は、微笑みながら作る準備を始めていた。


スティムは待ち切れないのか、テーブルの上に手を置いてバタつかせている。



< 82 / 85 >

この作品をシェア

pagetop