SCANDAL××!!
「リコ、響が失礼なこと言ってごめんな。
俺が送って行くからもう帰ろう」
「う、うん。
わたしこそ失礼なこと言っちゃって…」
「リコは何も気にすることない。
響、お前はもっとファンを大事にしろ」
成海さんの紳士な部分を、この響っていう最低人間に分けたいくらいだ。
響は中身は子どもだ。
ここは大人になるんだ、リコ。
冷静になったわたしは、黙ったまま笑顔で響に会釈をした。
「さぁ、帰ろう。
実はリコのお母さんには、さっき連絡してたんだ。
挨拶に行こうと思ってね」
「え、そうだったの?
わたしに言ってくれればよかったのに…」
「ごめんな。
今日うまく抜けられるか直前まで分からなくて」
「そうだったんだ」
響はつまらなそうな顔をして、わたしと成海さんに背を向け、去って行った。
「タクシー呼ぶから」
「あ、うん」
成海さんが電話をかけている間、わたしは再びライブの余韻を思い出した。
必ず、また行こう。