SCANDAL××!!



「あ、ねえ、あれってもしかして…」

「ええ〜、やば!
本人じゃない?」

「ねぇねぇ!
電話終わったら声かけてみる?」

「えー、恥ずかしいよぅ!」



成海さんが電話をかけに消えた方から数人の女の子の声が聞こえてきた。

間違いない、カルテットのファンだ。

出待ちするための出口とは離れているのに、こんなところにもファンは残っていたなんて…


きっと、見られちゃいけない。

わたしと成海さんが幼馴染だからって、仲良くしてるのを見たら、成海さんのファンが快く思わないと思う。


わたしだってそうだ。

成海さん…いや、カルテットが誰か一人の子を特別扱いするのは気分が良くない。




「…あ、もしもし、リコです。
成海さん、わたしお母さん呼んでたの思い出して…近くのコンビニで待ち合わせしてるから、先に帰るね」



成海さんとわたしの間に、壁を感じた。


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