魔法にかかったみたいに夢見てる!
「……え…」
「何言ってるの優希ちゃん。貴方こそここで何していたの?」
ぼーぜんとした顔で、私を見つめる看護婦さん。
……嘘…
じゃあなんで私病院に?
「あっカレンダー破くの忘れてたっ!」
いつもは、しっかりモノの看護婦さんが慌てている。
どうやら日めくりカレンダーを破くのを忘れていたらしい。
それくらいで、慌てなくてもいいのに。
私は、今、自分の身に起きていることを忘れるために、看護婦さんをクスクスと笑いながら見ていた。