アイドルに告白されました。
楽屋に戻ると女の子が目に涙をいっぱいためてこっちを見ていた。
「さく、ら。」
「咲来?」
「咲来、は…友達でっ!
倒れた。私が今日誘わなかったら…」
彼女はとうとう泣き出した。
「大丈夫、君はもう遅いから帰りな」
「でも…」
「まかせとき」
「はい…」
彼女が帰ってその、咲来っていう子に会いに行くと、足がすくんだ、
「結凜…?」
結凜と、瓜二つだった。
でも違うんだ、俺は結凜の死体を…みた。
咲来ちゃんはスースーと寝息を立てている。
「結凜…」
この顔が見たかった。
一度だけでもいいからまたあの唇重ねたい。
咲来ちゃん、ゴメンね。
顔を近づける。
あともう少しで触れそうだった時、拓に声をかけられた。
「結凜ちゃんじゃないぞ…」
「分かってる。でも、瓜二つなんだ。
一度だけでも…」
「結凜ちゃんが悲しむと思うけど」
目が覚めた。
結凜じゃない。もう、何回とわかっていたはずなのに。
「やめとくよ」
俺は力無く笑った