BLOODY RAINBOW

どっかのビルの屋上
上った階段の分の疲れは感じなかった。

気分が悪い
なんで疲れないの



「ここは僕が作った空間。戦闘しやすいんだよね」



しまったはずの羽を伸ばして言うブラッド。
フェンスの上に登って街を見ている。




「僕は亜子を守るために来たガーディアン。このまま普通に生きてたら、亜子は3年後には死んじゃう」



『………は?
何で…』


「殺されるの。最近ニュースでなかった?犯人はわかんないけど、どんどん人が死んでってるってヤツ」



そう言って歪むブラッドの口元
だから、何で笑うの



『それと…私、なんか関係あんの?』



どんどん血の気が引いていくのが分かる。
今すぐ倒れてもおかしくないくらいに。



「断言はできない、でも関係はあると思うよ」



言葉が出なかった。
あたしには無縁の話だって決め付けてたから
3年なんて、だいぶ先なのに
恐怖からか?不安からか?



「神に許されし者じゃない、存在を図り知れないから神も裁けない。そんなヤツの犠牲者になろうとする人達を救うのが僕の仕事」



淡々と喋り続ける。
犠牲者?私が?
現実味のない話にただ唖然とする私。










< 12 / 15 >

この作品をシェア

pagetop