真白な彼女
『白石さーん。おーい白石さーんたら。』
はっと我に帰る。
『物凄い上の空で遠くを眺めていたけど誰かにフラれたのか?白石がフラれる事なんかあるとは思えないけど、そもそも白石君にも好きな人とかいたんですね。
僕はビックリです。むしろ衝撃。何で今まで黙っていたんだ?相談くらいしなさいよ。僕だって相談くらい乗るよ?それとも僕はそんなに信用出来ない人物だと見定められていたのか?』
………。
『あーごめんごめん。そうだよな。そもそもこんな事を聞く方が野暮だった。いやだって僕の白石が知らない所で恋愛して傷付いていたなんてそれはもう』
『違います。』
妄想が暴走している。
『何だ違うのか、ぼーっと歩いてるからてっきり。危ないぞ〜。』
疲れた。
家から出てそんなに歩いて無いのに疲れた。
『本当、妄想で話しをするのはやめてよね月見里君。』
呆れた。
『私は本を買いに出掛けている途中で別にそんなつもりで歩いていたわけじゃないよ。』