真白な彼女
小鳥遊さんの家は特別大きいわけでも無い、普通の一軒家です。二階建てで、小鳥遊さんの部屋は二階の角の部屋。
灯りはついてない。
さて、小鳥遊さんの家に着いたけど、月見里君はどうするんだろう?
特に打ち合わせして無かったし。
単刀直入に聞くのかな?
それは、どうかと思うけど。
ピンポーン
気が付けば、月見里君が躊躇もなくインターホンを鳴らしていた。
ガチャ
『はぁい。あら、こんばんは。七海のお友達かしら?』
『えっと…ああ!…あの!そうです!』
おい、さっきまでスムーズだったじゃないですか。
ここに来て、お母さんが出て来たら急に緊張って……もう。
私はお母さんに向かって会釈した。
『お久しぶりです。お母さん。こんな夜分遅くにすみません。白石美帆です、覚えていますか?以前、小鳥遊さんと大学のサークルが終わった後に、少しだけ上がらせて頂いたのですけど』
『あら!美帆ちゃんね!久しぶりね〜。今日はどうしたの?七海ならまだ帰って無いわよ。アルバイトに行ってて、帰って来るのも23:00過ぎだと思うわ』
『アルバイト…ですか?初耳です。小鳥遊さんがアルバイト…。何処でやっているんですか?』
『柏手駅前のコンビニよ。余り知っている人に見られたく無いのかしら、わざわざ一駅、離れた場所を選ぶ何て。もともと恥ずかしがり屋な所はあったけれども』