真白な彼女

『なぁ、白石』
ぼ〜っとしている私に月見里君が声を掛けてきた。
『何かな?月見里君』
『何で帰らなかったんだ?』
『何でって、当たり前でしょ?小鳥遊さんが心配だもん』
『白石って、小鳥遊と仲良かったんだな』

『何それ?仲悪いように見えた?』
『いや、そういうわけでは無いんだけど、何かそんなに話してる所も見た事があんまり無かったから』

たしかに。
言われてみればそうかも知れない。
でも、まだ知り合って一年も経って無い訳だし、話せば普通に楽しいし、家にだってお邪魔した事がある。

友達…なのかな?

『白石?』

月見里君が恐る恐る此方を見ていた。

『あっ…。月見里君が知らないだけだよ。それに、サークル中はみんな集中してるからそんなに話さないしね』
『そっか。確かにな』
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