真白な彼女
そうこうして、時間が経ち、いとも簡単に小鳥遊さんはファミレスの前を通過して行ったとさ。
『ってちょっと待って!』
私は急いで席を立ち、入り口に走り出した。
『月見里君!お会計!!』
と言い残し、ダッシュで小鳥遊さんの後を追う。暗がりの道を200mダッシュ。
いた!
『はぁ…はあ…小鳥遊さん!待って!』
パシッ。
小鳥遊さんの手を掴んだ。
『ふぇ?白石さん?』
『小鳥遊…さん…はあ…』
日々の運動不足が堪える。
『白石さんどうして…こんなところに?』
『あなたを捜してたの。もう放さない。』
『え?え??』
小鳥遊さんの頬が寒さでほんのり紅い。
真っ白なコートを着て、白い耳当てを装着している。
可愛い。
ドクン…ドクン…。
あれ?何か…胸の鼓動が…。
『白石…さん?』
落ち着いて私。でも何か胸の鼓動が激しい。
私は小鳥遊さんの目を見つめていた。
『こらこら。こんな所で百合フィールドを展開するな』
『あっ月見里君も。どうしたの?』
ただの動悸息切れでした。