真白な彼女

場の空気が凍った。
三人の時間が静止する。
小鳥遊さんは困惑の表情で此方を見ている。
横に座ってる月見里君は。
月見里君は……。

どう、表現すれば良いだろう?
悲しんでる?哀れんでる?儚んでる?怒ってる?

いや…。

無表情だ。

『すまない小鳥遊。実は俺…』

ここからは、月見里君があの日、小鳥遊さんを目撃して、聞いたことを話した。
小鳥遊さんは私達にバレてしまった事が、ショックだったのだろう。
数分何も語らず、俯いたままだった。

『何があったんだ小鳥遊?場合によっては力になれる事もあるかもしれない。話してくれないか?』

『私……私は…』

今にも泣き出しそうな小鳥遊さん。

『小鳥遊さん。少しだけでもいいの。話してくれないかな?誰にも…お父さんやお母さんにも話して無いんでしょ?話せるわけないよね?お金のトラブルだったら尚更だよね。でも、私達だけでも話せたら少しは気持ちも楽になるかも知れないよ?誰にも言えないって辛いこと。私達は、小鳥遊さんが秘密にして欲しいって言えば絶対に守るから。ね?小鳥遊さん』

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