真白な彼女

『わ…私は納得出来ないっ。そんなんじゃ小鳥遊さんが可哀想すぎる』

私は思った事を口に出していた。

『もともとは、彼等の事がきっかけなんだから、その子に相談してみたらダメなの?』

『……真美ちゃんは、凄く喜んでいました。奇跡だって言ってました。彼氏が助かったって喜んでたんです』

…………。

『まぁ、確かにその話は出来ないよな。小鳥遊の気持ちはわかるよ。それに、自分のヘマは自分で如何にかしないとな』

月見里君がさっきから凄く冷たい言い方をする。
こんな言い方をする人では無いのだけども。

『交渉するぞ。この件は恐らく無かった事には出来ないはずだ。まだ金額の交渉をする余地があるはず』

交渉…。

『だから、小鳥遊!諦めるな。少しでも額を減らせるように交渉するんだ。俺も立ち会う。少しでも減らせる様に努力するから諦めるな』

月見里君の顔は本気だった。
恐らく月見里君がとっていた言動は小鳥遊さんを諦めさせない為。
現状を改めて理解させるためだったのだと思う。
やっぱり、いつもの月見里君だったんだ。


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