真白な彼女
『ところで』
月見里君が続けた。
『その相談屋さんは、何て言う名前なんだ?まさか、名も語らず何て事は無いだろ?』
『えっと…確か、太宰治と名乗っていました』
『は?なんて?』
『いや…その太宰治と…』
何そのあからさまな偽名は…。
『まぁ、いいや。太宰ね、ふーん』
月見里君はそっぽを向いていた。
『月見里君、名前なんて聞いてどうすんの?別に相談屋で良かったんじゃ無いかな?』
『ん?特に何でも無いよ。ただ気になっただけ』