真白な彼女
私は面食らった。
まさかのマシンガントークが出て来るとは思っても無かった。
『そ、そうですね』
『冗談だぁ…金は大切だがな。それに、いきなりぶつかって来た淑女に対して不粋に振る舞うような礼儀は覚えていないからなぁ。まぁ特に気にしていない。ただ先程言った自分の身は気遣うべきなのは本当の事だぞ…お前の腹部に刺さっているナイフが物語っている。』
私は青ざめて自分の腹部を確認した。
『冗談だぁ…』
くっ、この人。
『そうだな、見知らぬ奴に出会ったら警戒は怠る事が無いようにするべきだ。その点お前は優秀なようだな、他人に対しても知人に対してもな…』
『え?』
『それじゃぁさらばだぁ…せいぜい気を付けて帰るんだな…白石』