花とミツバチ
ところが。
ーパコーンッ!!
「……」
気持ちのいい音とともに倒れるピンと、画面に表示される『ストライク』の文字…。
「っよし!ストライク!」
(う、上手い…!!)
清々しい顔でガッツポーズを決めこちらを向く千葉くんに、思わず驚きを隠せない。
「すごい…上手なんだね」
「いや、まぁ今のはまぐれですけど…学生の頃よく来てたんで!体動かすの好きなんですよね」
「へー…ごめん、好きだけど下手くそってイメージだった」
「あはは!よく言われます。じゃあ次、先輩どーぞ」
失礼な私の発言を笑い飛ばしながら、手渡されるボール。ずしっとした重さを右手に抱える。
「簡単ですよ。ピンに向かって、真っ直ぐに投げるだけ」
「ピンに向かって…」
彼の言葉に見れば、真っ直ぐなレーンの先に立ついくつものピン。
真っ直ぐ投げるだけ…よし、やってみよう、そう私は不慣れな手つきでボールを思い切り投げ転がした。