花とミツバチ



「わっ…本当だ!倒れた!」

「ね?これ覚えるだけで大分上手くなりますよ」

「もう一回教えて!」

「はいっ、何度でも」



ようやく倒れた嬉しさにはしゃぐ私に、千葉くんはボールを持ちもう一度同じように丁寧に教えてくれる。



「肩に力入れすぎないで…」

「…、」



(また、体触れてる…)



何度触れても、その度ドキドキと鳴る心臓。

いつもなら千葉くんがすぐ顔真っ赤にして動揺して…だけど今は、私一人で意識してる。



どうして?とか、恥ずかしいとか

そう思いもするけれど



ーパコーンッ!!

「っ…やったー!ストライク!」

「さすが先輩!飲み込み早いですね!」



教えて貰いながら何度も投げるうちに、ようやく決まったストライク。

それが嬉しくて思わず万歳して喜ぶ私に、千葉くんはハイタッチして同じように喜び笑う。




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