花とミツバチ



ーガチャガチャ…ガチャッ

「ふー、やっと着いたー!」



そしてやってきた、近くに建つ白いアパート。

『千葉』そう書かれた一室へ駆け込み、千葉くんは全身びしょびしょのまま躊躇いなく家へ上がり床を濡らす。



「予想以上にすごい雨だったね」

「本当…ってうわ!藤田先輩濡れてる!」

「うん、あの雨だもん仕方ない」



雨は相変わらず勢いを弱めることなく、足元はもちろん、折角上着を貸してもらったというのに顔や髪は雨に濡れてしまっていた。



「体冷やす前に風呂!入ってください!」

「え!?いいよこれくらい…」

「ダメですって!風邪ひいたらどうするんですか!」

「私より自分の方がびしょ濡れじゃない」

「俺はいいんです!大学の時だって冬に…ってそんな話より!はい!風呂!」

「えっ、わっ、ちょっ…」



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