花とミツバチ
「……」
すー…と静かにたてられる寝息に、見ればブカブカなシャツの襟からは浮き出た鎖骨がのぞく。
伸ばした手でそっと触れれば、細い骨と柔らかな肌の感触。
(…最低なんて、言わないでよ)
きっと好きと罪悪感にまみれた、その心。
けどそんなあなたを、『最低』なんて言葉ひとつで済ませたりしないよ。
どうしようもないんだ。
好きで好きで諦めきれなくて、あの人を見るその目も、切ないけど好きなんだ。
いつか、いつか…その目がほんの少しでもこっちを向いてくれたら、そう願って期待してる。
「…好きだよ、」
だから今は精一杯の想いを込めて
その柔らかな頬に、そっとキスをした。