花とミツバチ
「…今日は、用事があって。極力残業せずに帰ります」
「……」
初めて拒む私の言葉に、その顔は驚いたものとなる。
「珍しいな、藤田がそうやって断るの」
「私にも人並みに用事があるってことです」
「それはそれは、いいことだ」
私の心の変化に気付いているのかいないのか、ふっと笑ってまたキスをする。
「…そういえば最近、千葉と仲がいいみたいだけど?」
「!」
ところが突然のその問いに、私の心臓はドキリと跳ねる。
「そうでもないですけど…仲良く見えます?」
「あぁ、見える。妬けるなー」