花とミツバチ
「妬けるって…ヤキモチですか?」
「うん、ヤキモチ。俺の可愛い千葉を藤田に奪われるかと思うと…」
「ってそっちですか」
「…千葉に妬いてるって、言って欲しかった?」
「……」
ふざけているのか真面目なのか、わからない声と見つめる瞳。思わず黙った私に、彼はまた笑ってキスをする。
鼻をくすぐるのは、千葉くんとはまた違う匂い。
甘い甘い蜜のような、心惑わす匂い
けれど不思議と、いつもならしがみつくこの手は躊躇う。
匂いが、甘さが、胸を焦がす。
泣きたいくらいの罪悪感
それは、痛いほど