花とミツバチ



けど本当、今更だけど人気者なんだなぁ。それもそうか、可愛くて優しいし…人懐こいし。年上なら尚更可愛がりたいと思うだろう。

前まではわからなかったその魅力も、今では少し分かる気がする。



「藤田、飲んでるか?」

「あ…はい、」



すると、そう声をかけ隣に座ったのは梶原課長。彼も同じくビールジョッキを片手に、一口飲んでテーブルへ置いた。



「残業片付いたかー?」

「はい。梶原課長は今日は定時であがれたんですね」

「まぁ俺が本気を出せばこんなもんよ」

「じゃあいつもは本気じゃないんですね」

「いいか?本気ってものは時々発揮するから格好良いんであって…」

「あ、すみません。枝豆ください」

「あれ?無視?」



何気無いやりとりをしながらも人前で彼と話すことは少し緊張してしまうもので、今は千葉くんがいることもあり尚更意識して下を向いてしまう。


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