花とミツバチ
「…、」
すると不意に、彼は左手で私の目元を隠すように覆った。
「す、すみません」
「?な、何?」
「…さすがに今は酔っ払ってて理性保てないんで、そんなに見つめないでください」
「……」
長い指の隙間から見えるのは、耳まで真っ赤に染めた彼。
(…愛おしい)
そんな想いひとつひとつが、心を掴んで離してくれない。
あの人にも確かに感じていた気持ち
だけど、また少し違う。
求めて、しまう。
その熱を分けてほしいと思う。
彼の抱く愛情を、もっと
「…、」
抑えきれぬ気持ちに、私は目元を覆うその手に触れてそっと顔から外す。