花とミツバチ



「…?千葉くん?」



いきなり何かと首を傾げた私に、千葉くんは突然ガンッ!!と壁に頭を打ち付ける。



「!?千葉くん!?」

「す、すみません…俺、その…」

「…?」

「っ〜…もう寝ますわざわざすみません失礼しますー!!!」



どうやら我に返りまずいと思ったのか、逃げるように即鍵を開けガチャガチャドタバタと自宅へ駆け込んで行った。



「……」



その場に一人残されるのは、ぽかんとしたままの私だけ。





『藤田先輩にちゃんと好きになって貰えるまでは』





彼はあの言葉を、守るように。



「…、」





ドキドキしてる、熱い。

もっと触れたいと、想ってしまった。

唇の感触が、近い声が、固め繕っていた自分の心を剥がしていく。



欲求を露わにして、彼への気持ちが募る




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