花とミツバチ
「…あれ、千葉くんもう帰ったんじゃ…?」
「あ、いえ…自分の携帯を、デスクに忘れまして…えと、そしたら藤田先輩と梶原課長がいまして…」
「そ、そう…」
あれ、
この気まずそうな顔に冷や汗、しどろもどろと言い訳する言い方。それに加え私と梶原課長がいた、って知ってるってことは…
(まさか…)
「…み、見てた…?」
「え!!?」
あまりにもよそよそしいその態度に血の気の引く思いで問いかけた私に、その顔はギクッ!と図星を突かれた顔となる。
「い、いや何も見てませんよ!?何も!!全然!!あははっ先輩ってばやだなぁ!あはっ!じゃ、じゃあ俺帰りますんで!オツカレサマデシタ!!」
そして崩れた段ボールをそそくさと積み上げ、千葉くんは逃げるようにその場を駆け出した。