花とミツバチ
5.散った花びら

9.痕を残して





真っ当な恋だけが正しい恋なわけじゃない

そう思ってたし、今も思う。

けど今私が選ぶのは

その気持ちとその愛と、“彼”と真っ直ぐに向かい合う恋。





「すみません藤田先輩!一緒に取引先に行ってください!!」

「…は?」



ある日の午後、突然の千葉くんからの一言に私は意味が分からず首を傾げた。



「どうして私が?一緒に行くなら他の営業担当に…」

「大福商事ってあるじゃないですか!大手スーパーの本社!」

「大福…あぁ、そういえば前に一緒に謝りに行った所だっけ」

「そう!そこに新商品の営業に行きたいってアポとったんですけど、そこの仕入れ担当の人が『社長がこの前一緒に来た女性も一緒だったら考えますと言ってます』って…」

「?何で社長?」

「謝りに行った時、社内を歩いてた藤田先輩を見かけて一目で気に入っちゃったらしいです」

「はい?」



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