花とミツバチ
あの日からも彼との距離はあまり変わらない。
けれど確実に心を許しつつある自分がいて、隣で笑う千葉くんに思わずつられて笑う。こうして隣にいるだけで、あたたかい。
「お世話になっております!営業の千葉です!」
「あ、はい。毎度お世話になってます。こちらへどうぞ」
そうしてやって来た取引先。
『大福商事』と大きく看板に書かれたその社内の応接室へと通され、堂々と歩く千葉くんの後に続きソファへ座る。
(独特の緊張感…)
「本日は当社の社長が直に対応致しますので」
「えっ!?社長さんがですか!?」
「以前からずっとお会いしたがってましたから。今来ますので少々お待ちください」
「……」