花とミツバチ



「あっ…ごめんね、大丈夫?」

「…、」



まだ幼稚園児くらいだろうか、幼いその女の子はぶつかってしまったことと転んだことに驚き、みるみるうちに泣きそうな顔になってしまう。



(げ…泣かれそう)



そんな女の子に戸惑う私の一方で、千葉くんはスッとしゃがみこみ視線を合わせ話しかけた。



「大丈夫?痛いところはないかな?」

「…うん、」

「そっか。走ったら危ないから気をつけようね」



微笑む千葉くんに私の顔を見るより安心したのか、女の子は大人しく立ち上がってはごめんなさい、と呟いた。



(子供の扱いも上手だなぁ…)



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