花とミツバチ



ー…



「あっ藤田先輩!こっちです!」



翌日の夜。

会場となる都内のとある大きなホテルには、柄入りのスーツでいつもより華やかな装いの千葉くんと梶原課長。

そしてその二人へ向かいカツカツとヒールを鳴らし歩く、黒のワンピースにショールを羽織った私の姿があった。



「おっ、いつもとは違ってセクシーだな」

「仕事でパーティなんて行ったことないから急いで昨日買いに行ったんですけど…変?」

「いえ全然!綺麗です!」



笑う二人とこうした場を歩くなんて…あまりない機会に少し戸惑うけれど、少し高めのヒールで背伸びをするように、その背中たちに続く。


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