花とミツバチ
「あれ?梶原課長は?」
「適当に切り上げるって。私たちもほどほどで帰るようにってさ」
「そうなんですか?」
「福井社長はいいの?」
「あ…はい、場はある程度盛り上がってきてましたし…それに」
「?」
「二人が話してるの見えたら、何か気になっちゃって」
「……」
先程の私たちの会話を遠目から見ていたのだろう。すみません、と小さく頭を下げながら千葉くんは私の隣へと立った。
「何話してたか…聞いてもいいですか?」
「うん。…ずっと好きでした、って」
「…?」
「もう終わりにする、って伝えた」
「え…?」
こちらを見つめる今日も眩しいその目を、きちんと見つめ返す。