花とミツバチ



…そう、だよね。

正しいことじゃないもん、普通はそう言うよね。



分かってはいたけれど、改めて向き合うと自分の身勝手さを思い知る。



「…、」



返す言葉を詰まらせ頭を下げたままの私の視界に入るのはその茶色い革靴のみで、その顔がどんな表情をしているかは見えない。



「けど、誰にも言いません」

「…え…?」



すると発せられたのは、予想とは違う一言。思いがけないその言葉に思わずマヌケな声が出た。



誰にも言わない、って…それってどういう意味…?

そう問いかけようとすると、千葉くんは私の肩を掴み頭を上げさせる。



「誰にも言わないから…その代わり、俺と付き合ってください」

「……」



……

………

…………ん?





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