花とミツバチ
6.新たな芽
11.恋の始め方
ひとつの気持ちに蹴りがついて、恋がひとつ終わった。
けどそれは『恋の終わり』と呼ぶにはあまりにも穏やかで、すっきりとしていて
私の中の日常を、また新しくした。
「田中さん、発注書の品番また間違えてます」
「え?どこだよ」
「ここです。品番101じゃなくて110じゃないんですか?」
「あーそうだそうだ!そっち!」
「もう…いい加減間違えないで記入くらいしてください」
ある日の午後。いつものオフィスには、いつも通り男性社員相手にきつめに言う私の姿があった。