花とミツバチ







「じゃあ梓、その年下くんと付き合うわけだ?」

「…うん、まぁ…気持ち的には」



その夜、会社近くのレストランで一緒に食事をとりながら、樹里からの問いに私はぎこちなく頷く。

その答えに樹里はふふと笑ってグラスに入ったお酒を一口飲んだ。



「いいことじゃない。不倫より全然健全だし」

「そうだけどさ…」

「寧ろそこまでいってて何でまだ付き合うまでいってないかがわからないんだけど」

「……」



最もな意見に思わず苦笑いをこぼして、お皿の上のサラダをフォークでつつく。



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