花とミツバチ



「…うん。じゃあこっちから会社に向かうから、外で待っててもらえる?」

『わかりました!』



そして切った電話にその顔はニヤニヤと笑みをうかべた。



「仕事後にお誘い?頑張るねぇ、年下くん」

「ごめんね樹里、ありがと」

「いいよ。丁度そろそろお会計しようかなって時間だし…あ、でも私も年下くん見てもいい?」

「へ?いいけど…」

「梓を落とすほどの年下…一度見てみたかったんだよねぇ」



(落とすって…)



快諾したかと思えばその訳は千葉くんへの興味だったらしく、樹里と二人お店を出ては少し歩き会社前へとやって来た。

電気のほとんど消えた建物の前には、携帯をいじり時間を潰していたらしい千葉くんの姿。



「あっ!藤田先輩!」



千葉くんはこちらを見つけるとすぐ携帯をしまい、鞄片手に駆け寄ってくる。


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