花とミツバチ



「お待たせ」

「いえ全然!あれ…そちらは?」

「友達の樹里。今まで一緒にいたの」

「初めましてー、梓の友達の樹里です」

「あっ初めまして!藤田先輩の後輩の千葉です!」



にこりと笑う樹里に、千葉くんはいつも通りのニコニコとした人懐こい笑顔で握手を交わす。



「いやぁ、さすが藤田先輩のお友達!美人さんですね!」

「えっ!やだ口が上手い!」

「上手くないです、本心ですよ!」



そうしているとピリリ…と千葉くんのスーツのポケットからは携帯が鳴り出す。



「千葉くん、電話鳴ってる」

「あっ、本当だ…すみません、ちょっと出てきます」



画面を見ながら私たちから少し離れ、彼は電話をとる。その隙を見て、樹里は私へ小声で話しかけた。



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