花とミツバチ
「戻りましたー…ってあれ?お友達は?」
「駅向こうだから、って先に帰ったよ」
「すみません、二人でいたのに邪魔しちゃったみたいで」
「ううん、大丈夫。樹里とは週一で会ってるし…千葉くんは電話大丈夫だった?」
「あ、はい。うちの兄貴からだったんで」
お兄さんがいるんだ…確かに弟っぽいけど。
電話をしまいながらこちらへ戻ってきた千葉くんは、私の隣へ並んでにこっと笑う。
「どうします?何か食べたい物とか…」
「……」
二人きり、今なら言える…かもしれない。好き、のたった一言。
意を決して、息を吸い込む。