花とミツバチ
「まだまだかかりそうな感じですか?」
「んー…今日はもうあがろうかなって思ってたところ」
「じゃあ一緒に帰りましょ。送ります」
「……」
にこ、と微笑んで千葉くんも続いてコーヒーを開けては一口飲む。
「…あの、さ」
「はい?」
「他の部署の女の子に告白されたんだって?」
「え!?」
ところが、私の一言にその顔は驚きに変わりこぼれかけたコーヒーを慌てて拭う。
「な、何で知ってるんですか!?俺その後すぐ外回り出たから誰にも言ってないはず…」
「その子が昼間休憩室で大泣きしててね。多分もう社内中に広まってると思う」
「マジですか…」
まさかそんなことになっているとは思わなかったらしい彼は、苦い表情を浮かべて缶をデスクへと置いた。