花とミツバチ
「……」
最低、でしょ?
いつもみたいに、あははって笑う?
ふざけるな、ってさすがに怒る?
「…そっか」
瞬間、緩んだ腕を握る力。その瞳は眩しさを失くした。
「さすがに…傷付くかも」
「……」
初めて見た、彼の泣きそうな顔。笑うでも怒るでもない、その表情に知る。
彼のことを、傷付けた。
「…すみません、やっぱ俺先に帰ります」
小さく呟いて、彼は逃げるようにその場を飛び出す。
「…、」