花とミツバチ
『梓って変な所で自分に自信ないよねぇ』
自信なんて、ないよ。
私でいいのかな、もっといい人がいるんじゃないのかな、そう思って踏み出せなくなる。
だけど、それより大事なことに今更気付いた。
“私が”どうしたいか
“私は”どう想うか
千葉くんの優しさに甘えるばかりじゃダメ。与えられるだけじゃダメ。
伝えなきゃ。気持ちを、分け合おう。
「っ…」
廊下を駆け抜け、エレベーターを待つことももどかしく階段を駆け下り、夜の街へと飛び出して千葉くんの帰り道へ向かって走る。
(そういえば、最初もこうやって追いかけてた…)
あの時と違うのは、私の気持ちひとつ。