花とミツバチ
「…千葉、くん…?なんで…」
「振り返ったら先輩が転んだのが見えて…やっぱり、どうしても気になって」
「……」
私は彼を傷付けたのに、そんな私が転んだだけで駆け付けてくれる。
そんな彼のことがやっぱり、愛おしくて好きだ。
「あー、膝擦りむいてる。大丈夫ですか?血も出て…」
「…、」
そんな彼の顔を両手で掴んで、私はその唇にキスをした。
「……」
「…、…」
自分の気持ちを、伝えるように。
そっと離れた唇に、千葉くんは驚きを隠せない顔でこちらを見つめる。