花とミツバチ
「…じゃあ、形だけ」
「!?いいんですか!?」
「少しだけ…全く気持ちがないって決まったらすぐ別れるから」
「はい!それでも全然オッケーです!よろしくお願いします!」
「は、はぁ…」
戸惑いを隠せない私に、彼はお構いなしに喜びを見せ頭を下げて帰って行く。
「……」
(…なぜ、こうなる…)
不倫現場を見られて、口止めして、告白されて…何が何だか分からない。
たった数分の間に起きた信じ難い出来事に、私はただその場に呆然とするしかなかった。