花とミツバチ



「藤田先輩」

「?なに?」

「俺、これからもずっと先輩のことが好きですから。だから先輩も、これからは俺のことだけ見ててくださいね」





愛を、伝える言葉

それは今日も変わらない笑顔で





「…うん、」



小さく頷いた私に、またひとつキスをした。



始まりは複雑で、とりあえず、の恋人だったふたり。けどここからは、本当の恋人同士。

真っ直ぐに愛を抱く彼に、真っ直ぐに愛を伝えよう。

そしていつか、一輪の花を咲かせるように





「…じゃあ、今夜はうち泊まります?」

「へ?」

「好きになってもらえるまで我慢、って約束でしたよね?」

「…い、いたた…膝の傷が痛んでそれどころじゃないかも…」

「大丈夫です!俺が上になるんで!」

「……」





ふたりの笑顔の、花









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