花とミツバチ



「もう、千葉くんも早くに起きたなら起こしてくれればいいのに」

「いやぁ、藤田先輩可愛かったから」

「理由になってない」



そう話しながらやってきた会社で、俺と先輩はオフィスへ向かうべく二人でエレベーターへと乗る。



「今日は一日会社にいるの?」

「はい。外回りないんで、お昼一緒に食べます?」

「ダメ。付き合ってるのバレる」

「えー?もうちゃんとした付き合いなんだからいいじゃないですか」

「だーめ。周りに冷やかされても嫌でしょ」

「俺は大喜びなんですけど…」



首を縦に振ってくれる気配のない先輩に、俺は上昇するエレベーターの中諦めたように笑う。


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