花とミツバチ



そう考えながら歩いていると着いた、会社の入っている小さなビル。

エレベーターで4階へとのぼり『営業部』と書かれた自分たちのオフィスへやってくると、そこで彼は至って自然にドアを開け足を止める。



「先輩、お先どうぞ」

「……」



ドアを開け先に入らせる、なんて

大人びたその仕草



(…これもまた、意外)

幼く見えてもちゃんと気遣ってるのだと知る。



「…ありがと」



小さく呟くと、彼はまたにこにこと笑顔を見せた。



「おっ、千葉やっと来た!今日朝から外回りだろ?早く出ろー」

「あっはーい!今行きます!」



そうしていると先輩からの一声に早速始まる仕事。それにも千葉くんは嫌な顔ひとつせずデスクに向かい、書類をまとめ鞄へ入れる。




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